電子情報工学科とは

IT(情報技術)革命とよばれるほど情報通信技術が発達し,パソコン(コンピュータ)やスマートフォン(携帯電話),インターネットなどもめずらしくなくなりました.

例えば,スマートフォンはもはや携帯電話の域を脱し,メールやツイッター,facebookなどのSNSを利用して自由に世界中の人とコミュニケーションすることができます(通信工学).そしてオンラインショッピングやゲームを楽しむこともできます(情報工学).また,端末を分解すると中には様々な電子機器が詰まっています(電子工学).このようにスマートフォンやコンピュータは,作る技術である電子工学,操る技術である情報工学,伝える技術である通信工学など個々の技術をうまく組み合わせてできています.

個々のものをうまく組み合わせたものをシステムと言います.電子情報工学科では,個々の技術をうまく組み合わせ,全体を見渡して考えることができる人材,すなわちシステム思考のできる人材(システムクリエータ)の育成を目指しています.このため,コンピュータのハードウエアおよびソフトウエアに関わる分野および,これらを橋渡しする学問を基礎から応用まで広く学びます.

そして,現在,私たちにはエネルギー問題,地球環境を守るという大きな課題も課せられています.単に便利さや快適さを追い求めるだけの技術でなく,人や環境に優しい技術を探求するシステムクリエータが今後もますます求められるようになるでしょう.

中学生の皆さんへ

電子情報工学科では,「電子工学」と「情報工学」の両方の知識を併せ持ち,同時に人や環境も視野に入れた新しい技術とセンスを身につけた電子情報工学技術者を育てることを目指しています.是非私たちと一緒に学び,21世紀技術の中心となるエンジニアを目指しましょう.

ノートパソコンの導入

図:学生各自のノートパソコンを使った授業電子情報工学科では,2年生からノート型パソコンを各自ご購入頂き,プログラミングや実験・演習などに使用します.また,ご自宅での実験レポートの作成や予習・復習に必須の文房具として利用できます.ご入学後,本学科で推奨するパソコンを共同購入することになりますが,ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます.

進路について

電子情報工学科の卒業後の進路は,就職と進学がほぼ半々の割合となっています.最近は進学が増加傾向にあり,平成28年度は進学が約55パーセント,就職が約45パーセントでした.

就職については,電子機器製造・開発,システム開発,ネットワーク・通信,サービス等多岐にわたる分野に進んでいます.就職率はもちろん100パーセント,平成27年度の求人倍率は30倍を超えました.

また,進学についても希望者の100パーセントが高専専攻科や国立大学3年次に編入学しています.その進学先はいわゆる進学校と呼ばれる学校に匹敵しています.普通高校からの大学入試センター試験と異なり,高専からの大学編入学試験は大学ごとに試験日程が異なるため,複数の国立大学を受験することが可能です.そのため本学科からも複数の国立大学に合格する学生がたくさんいます.

また,専攻科修了生についても就職は非常に好調で,進学についても大学院へ多く進学しています.主な進学先,就職先は 進路情報 をご覧下さい.

資格について

在学中に取得できる資格は就職時に有利になります.学科では資格取得を積極的に勧めています.電子情報工学科の学生は情報処理関係やディジタル技術関係などの資格を多く取得しています.

情報処理技術者試験については,数多くの学生が基本情報処理技術者試験や応用情報処理技術者試験に合格しています.さらに情報セキュリティの中でも国内最難関試験の1つとされる情報セキュリティスペシャリスト試験の合格者も出ています.

ディジタル技術検定試験については,平成16年度から取り組みを開始し,延べ744名が合格しています.平成27年度には団体優秀賞も受賞しました.

合格資格実績
資格試験 H23
年度
H24
年度
H25
年度
H26
年度
H27
年度
情報セキュリティスペシャリスト試験 1名 1名
応用情報処理技術者試験 1名 4名
基本情報処理技術者試験 6名 1名 3名 31名 13名
ディジタル技術検定試験1級 1名
ディジタル技術検定試験2級 36名 23名 41名 24名 15名
ディジタル技術検定試験3級 41名 40名 36名 38名 33名
ラジオ・音響技能検定試験3級 1名

授業や研究の紹介

図:授業の写真

電子情報工学科では充実した設備のもとで特徴的な授業や研究が行われています.また,学生はノートパソコンを所有しておりキャンパス全域をカバーする無線LANシステムによりいつでもネットワークにアクセスできます.eラーニングシステムを利用しての授業・定期試験・実験・演習なども活発に行われています.

以下に,電子情報工学科の授業や実験,研究の一部を紹介します.

授業

図:授業の様子
コンピュータアーキテクチャ
コンピュータハードウエアの構成と各部の働きを学びます.
アルゴリズムとデータ構造
情報処理の行う手順とその方法を学びます.
オペレーティングシステム
コンピュータを操作するための基本となるソフトウエア技術を学びます.
データベース
実際に身近な例でデータベースを作成する演習を行います.
情報理論
情報を記号に変換して,コンピュータにわかりやすくしたり,エラーの訂正を行ったりする技術を学びます.
人工知能
ロボットなどに搭載されるような,コンピュータが自ら判断する技術を学びます.

実験

図:実験の様子
プログラミング
自分の考えたアイディアをもとにプログラムを作ります.
周辺機器制御
PIC(ワンチップマイコン)による制御を行います.
ネットワークプログラミングおよびネットワークサーバの構築
ネットワークを利用して通信を行うプログラムの作成やサーバを実際に構築する演習を行います.
情報セキュリティ
情報を安全に伝える技術をプログラミングを通して学びます.
HDL(Hardware Description Language)によるディジタル回路の設計
コンピュータハードウエアをプログラムによって設計する方法を学びます.

研究

図:研究の様子
ディジタル信号処理に関する研究
信号をディジタル処理し,ノイズを効果的に除去したりする研究を行っています.
音声情報処理に関する研究
音声を自動認識し,映画の字幕やシーン認識に応用する研究を行っています.
応用Webアプリケーションに関する研究
インターネットで利用される,より進んだWebアプリケーションに関する研究を行っています.
ナノテクノロジーに関する研究
高度な半導体技術に応用されるナノテクノロジーに関する研究を行っています.
コンピュータシミュレーションに関する研究
分子構造をコンピュータシミュレーションによって解析する研究を行っています.

体験入学

平成28年7月26日(火)〜27日(水)の2日間,体験入学を実施しました.

図:体験入学の様子その1図:体験入学の様子その2図:体験入学の様子その3

電子情報工学科棟2F

情報セキュリティの大切さを体験してみよう
最近,個人情報流出,不正アクセスなど,情報セキュリティに関するニュースを目にすることが多くなりました.ここでは,セキュリティが不十分だと簡単に不正アクセスを許してしまうことなどを体験し,情報セキュリティの大切さを学びます.
インタラクティブインスタレーション
Microsoft社のKinectは,人の体の動きや音声を認識してゲームのコントローラとして利用できるみなさんおなじみの「Xbox360」向けの入力デバイスです.Kinectを利用して,人の動きに合わせて映像を変化させるインスタレーションが体験できます.

電子情報工学科棟4F

拡張現実(AR)を体験しよう!
拡張現実(AR)とは,コンピュータを使って現実世界を拡張する技術のことです.本当は現実世界に存在しないモノが「あたかも」そこにあるかのように体験することができます.
あそべるプログラミング Hack for Play(自由見学)
プログラミングを使って進めるゲーム,Hack for Palyを体験しましょう.
光通信で音楽を聴いてみよう
今話題の音楽プレイヤーはイヤホンなどをつないで音楽を楽しみますが,ここでは光通信で音を飛ばしてキャッチしてみます.簡単な回路なので,実際に回路を組む体験をしてみます.

電子情報工学科棟1F

4K2K超臨場感システムを体感しよう(自由見学)
電子情報工学科には,今話題の超高品質映像システムである4K2Kを評価・研究する施設があります.自由見学の時間に,これまでの見たことのない超臨場感を体験してみてください.

コンテスト

全国高専プログラミングコンテスト

全国高専プログラミングコンテスト(プロコン)は,プログラミングが大好きな全国の高専学生500名近くが集まり,発表・競技によって優れたアイディアと実現力を競う大会です.競技部門,課題部門,自由部門の3部門があり,プログラム技術のみならず独創性・有用性・技術力・操作性などで総合的に評価されます.

プロコンの参加者の発想の柔軟性やレベルの高さは社会やソフトウェア業界からも高く評価されています.また,チームで参加するので連帯感が生まれ,友人関係や勉強にもとても良い影響を与えています.

H28年度全国高専プログラミングコンテスト(鳥羽大会)
競技部門「※高専におにはいません」第6位
課題部門「ハウスタジアム」敢闘賞
H24年度全国高専プログラミングコンテスト(有明大会)
競技部門「数えるのダイスき」第3位!
課題部門「Care+ きになる雰囲気をセンサーで擬人化」敢闘賞
H23年度全国高専プログラミングコンテスト(舞鶴大会)
競技部門「アドミタンスY-インピーダンスの逆数」準決勝進出
課題部門「たびどあ!」敢闘賞
H22年度全国高専プログラミングコンテスト(高知大会)
競技部門「インピーダンスZ -アドミタンスの逆数-」文部科学大臣賞・優勝!
自由部門「クラウドアート」敢闘賞
H21年度全国高専プログラミングコンテスト(木更津大会)
自由部門「パペレース」特別賞
H20年度全国高専プログラミングコンテスト(福島大会)
自由部門「コエラリ!」優秀賞(準優勝相当)!
H19年度全国高専プログラミングコンテスト(津山大会)
課題部門「Life Maps Networks - みんなでつくる生物図鑑 -」敢闘賞
競技部門「発注屋 - ハイリスクハイリターン」準決勝進出
H18年度全国高専プログラミングコンテスト(茨城大会)
競技部門「Kyogix - きょーぎっくす - 」準優勝!
課題部門「あそぽーと - A Support - 」敢闘賞
自由部門「良好旅行 - Travel Without Stress」敢闘賞
H17年度全国高専プログラミングコンテスト(米子大会)
課題部門「La・見える」審査員特別賞

その他のコンテスト

プロコン以外にも各種プログミラング系コンテストに本校の学生は積極的に参加し,以下のような好成績を残しています.

H27年度ドコモ近未来社会学生コンテスト
ジュニア部門「コンテナ式冷蔵庫で実現する快適なお買い物ライフ」優秀賞!
H27年度第54回全国高等学校英作文コンテスト
「My Favorite Piece of Japanese Culture (1年共通テーマ)」優秀賞!
H27年度第9回全国高専英語プレゼンテーションコンテスト
「Hold on! Think Thoroughly.」3位入賞!
H24年度第33回U-20プログラミングコンテスト
「Pictor.cc」経済産業省商務情報政策局長賞受賞!
KANAZAWAスマホアプリコンテスト2012 (公式サイト)
「かなぷら」グランプリ受賞!

進路情報

電子情報工学科では卒業生がほぼ半々の割合で就職,進学しています.最近は進学が増加傾向にあり,平成28年度は進学が約55パーセント,就職が約45パーセントでした.就職希望者は100パーセント就職し,進学希望者もすべて大学や高専専攻科に合格しています.平成27年度の本科生5年生44名については,21名(うち女子7名)が就職,23名(うち女子3名)が進学しました.

以下は最近の主な就職先および進学先です.

就職について

主な就職先一覧
業種 企業名 H26
年度
H27
年度
H28
年度
H29
年度
製造・開発・電子機器 小松電子(株) 1
セイコーエプソン(株) 1
村田機械(株) 1
(株)別川製作所 1 1
(株)稲本製作所 1
オムロン(株) 1
ダイキン工業(株) 1
(株)ジャパンディスプレイ 1
(株)横山商会 1
YKK(株) 1
(株)パナソニックシステムネットワークス開発研究所 1
システム開発 (株)NTTデータ北陸 1 1
(株)NTT PCコミュニケーションズ 1
(株)金沢エンジニアリングシステムズ 1 1
(株)トヨタコミュニケーションシステム 1
(株)コスモサミット 1
(株)ユーコム 1 1 1
(株)ティファナドットコム 1
サン・ライズ・システムズ(株) 1
(株)キノトロープ 1
(株)インテリジェントウェイブ 1
(株)KSF 1
(株)DMM.comラボ 1 1
(株)シーピーユー 1
アイフォーコム(株) 1
京セラコミュニケーションシステム(株) 1 2
(株)メンバーズ 1
(株)FIXER 1
(株)グランゼーラ 1
(株)管理工学研究所 1
(株)Future Tech Lab 1
(株)アーチ 1 1
情報通信 (株)NTTフィールドテクノ 1 1 2
(株)NTTコムエンジニアリング 1
(株)NTTネオメイト 1 1
(株)NTT ME 1 1 1
(株)NTTぷらら 1 1
エキサイト(株) 1
KDDIエンジニアリング(株) 1 2 1 1
北陸通信ネットワーク(株) 1
技術サービス ニプロ(株) 1
キヤノンマーケティングジャパン(株) 1
ダイキンエアテクノ(株) 1
リコージャパン(株) 1
丸文通商(株) 1 1
パナソニック システムソリューションズ ジャパン(株) 1
放送・運輸・電力・その他・官公庁 NHK 1
(株)NHKメディアテクノロジー 2
JR西日本 2
北陸電力(株) 1 2
福島印刷(株) 1 1
能登印刷(株) 1

■専攻科就職先一覧

H26年度
EIZO(株),(株)NHKメディアテクノロジー,中村留精密工業(株),チームラボ(株),(株)C.A.MOBILE,国家公務員(技術職)
H27年度
EIZO(株)(2名),(株)コロプラ(2名),(株)ハイテックス,(株)金沢エンジニアリングシステムズ(3名),(株)パナソニックネットワークス開発研究所,(株)富士通北陸システムズ,(株)ユーコム
H28年度
京セラコミュニケーションシステム(株)(2名),福島印刷(株),リコーITソリューションズ(株),楽天(株),(株)NTTデータ
H29年度
EIZO(株)、ドコモシステムズ(株)
※さらに金沢大学や北陸先端科学技術大学院大学などの大学院と協定があり,推薦での進学が可能.

進学について

進学についても,以下のように専攻科や多くの国公私立大学3年次へ編入学しています.また一部の大学には推薦制度もあります.普通高校からの大学入試センター試験と異なり,高専からの大学編入学試験は大学ごとに試験日程が異なるため,複数の国立大学を受験することが可能です.そのため本学科からも複数の国立大学に合格する学生がたくさんいます.平成27年度(H28年度編入学)の進学希望者は全員が専攻科,大学に合格しています.

編入学試験合格状況 (カッコ内は実際に進学した学生数)
大学・高専 学科 H25
年度
H26
年度
H27
年度
H28
年度
H29
年度
石川高専専攻科 電子機械工学専攻 14(10) 15(6) 14(6) 13(4) 11(9)
金沢大学 情報システムコース 4(4) 3(1) 2(1) 1(1)
生命情報コース 1(-) 2(2)
数学コース 1(1) 1(1)
富山大学 知能情報工学科 2(2) 1(1) 1(-) 1(-)
電気電子情報工学科 1(1)
福井大学 電気電子工学科(改組前) 1(1)
情報・メディア工学科(改組前) 1(-) 1(1)
豊橋技術科学大学 情報・知能工学課程 6(5) 2(1) 4(4) 3(3)
電気・電子情報工学課程 4(2) 1(1)
機械工学課程 1(1) 1(1)
長岡技術科学大学 経営情報システム工学課程 2(1) 1(1)
電気電子情報工学課程 1(1) 3(2)
生物機能工学課程 1(1)
筑波大学 情報科学類 1(1) 2(2)
情報メディア創成学類 2(2) 1(1)
知識情報・図書館学類 1(1)
工学システム学類 1(-)
千葉大学 情報画像学科 1(1) 1(1) 1(1)
東京工業大学 電気電子工学科 1(1)
お茶の水女子大学 情報科学科 1(1)
東京農工大学 情報工学科 1(-)
電気通信大学 I類(情報系) 3(2)
情報・通信工学科(改組前) 1(1)
総合情報学科(改組前) 1(1)
先進理工学科(改組前) 1(-) 1(1)
信州大学 理学部理学科物理学コース 1(-)
機械システム工学科 1(1)
茨城大学 理学部理学科物理学コース 1(1)
和歌山大学 デザイン情報学科 1(-)
広島大学 情報工学課程 1(1)
秋田大学 工学資源・電気電子工学科 1(-)
静岡大学 情報科学科 1(1)
電気電子工学科 1(1)
横浜国立大学 数物・電子情報系学科
(情報工学教育プログラム)
1(-)
宇都宮大学 情報工学科 1(1)

スタッフ

氏名職名主な研究テーマ主な担当授業
竹下 哲義 教授 凝縮系のコンピュータシミュレーション 電子情報工学基礎II,電磁気学I,電磁気学II,電子材料設計,実験,卒業研究
金寺 登 教授 連続音声理解 オペレーティングシステム,コンピュータアーキテクチャ,システム設計演習,音声情報処理,実験,卒業研究
山田 洋士 教授 / 学科主任 ディジタル信号処理アルゴリズムとその実現 ディジタル信号処理,電子回路II,信号処理論,創造工学演習II,実験,卒業研究
山田 健二 教授 電子材料表面の分析 電子情報工学基礎I,応用物理I,応用物理II,電子材料,実験,卒業研究
長岡 健一 准教授 情報通信ネットワークの性能解析 情報基礎,情報通信I,情報通信II,情報通信III,実験,卒業研究
小村 良太郎 准教授 リモートセンシング,GISによる森林衰退の解析 電子情報工学基礎II,回路基礎,電気回路I,画像情報処理,環境技術,創造工学演習I,実験,卒業研究
越野 亮 准教授 数理計画と人工知能の応用 プログラミングI,データベース,ソフトウェア工学,創造工学演習I,コンピュータグラフィックス,実験,卒業研究
松本 剛史 准教授 VLSI設計の形式的検証とデバッグ支援 ディジタル回路,システム設計演習,情報理論I,電気回路II,実験,卒業研究
川除 佳和 准教授 イメージメディアの評価とその最適設計に関する研究 プログラミングI,プログラミングII,アルゴリズムとデータ構造,コンパイラ,情報理論II,実験,卒業研究
嶋田 直樹 助教 人間支援を目的としたロボットの高性能モーションコントロール 電子回路I,システム設計演習,制御工学,実験,卒業研究
福田 真啓 特命助教 FPGAを用いたネットワーク機器の高機能化 システム設計演習,実験
田中 永美
西村 美紀子
技術専門職員 実験,プログラミング,電子情報工学基礎,コンピュータアーキテクチャ,数値解析,システム設計演習

情報セキュリティ人材育成プログラム

情報セキュリティのニーズの高まりに応えるため,全国の高専で連携して情報セキュリティ人材育成事業(高知高専)を進めています.石川高専は当事業の第3ブロックの拠点校として,主に鈴鹿高専和歌山高専と連携を取りつつ,情報セキュリティ人材の育成を推進しています.

ところで情報セキュリティとは何でしょうか.一言で言えば,個人情報や企業秘密などの情報資産を様々な脅威から守ることです.情報セキュリティと聞くと,なんとなく,凄腕の攻撃者が世界中の大企業をターゲットにサイバー攻撃をしており,もし狙われたら防御は不可能であるというイメージを思い浮かべるかもしれません.しかし実際には攻撃者のスキルはピンからキリまであります.まずはレベルの低いハッカーもどき(しかし潜在的な人数は多い)に足元をすくわれないために,基本的な情報セキュリティ対策の実施が不可欠です.

それでは基本的な情報セキュリティ対策とはどのようなものでしょうか.情報セキュリティ対策は,大きく分けると事前対策と事後対策があります.ここでは事前対策について体感してみましょう.まずは以下のクイズを解いてみてください.数値は全て10進数です.

実は,以上のクイズはそれぞれ素因数分解問題,離散対数問題と呼ばれており,世界中で広く使われている暗号方式の解読の難しさの根拠となっている問題です.つまり,現代暗号が簡単に破られないのは,これらの問題を簡単に解く方法が見つかっていないためです.もし簡単に解けたら,世界中の偉い数学者が黙っていないでしょう.それを解いた報酬がささやかなお菓子って…

このように,価値のある資産(お菓子)を狙う人達に「割に合わない」と思わせることが「事前対策」です.

ただし,いかに高度な暗号方式でも,運用方法を誤ると簡単に破られてしまいます.推測されやすい暗号やパスワードを用いたり,ログイン画面やHTMLソースコードなどに大ヒントを表示したりしてしまうと,事前対策をしていたつもりでも全てが台無しです.情報セキュリティ技術を正しく理解し,抜け目ない対策を実施することが,サイバー攻撃による被害を受けないための第一歩です.

情報セキュリティ人材教育プログラムでは,全高専生を情報セキュリティにも強い人材に育成しつつ,希望する学生には高度な演習授業などにも挑戦していただきます.より詳細に関しては情報セキュリティ人材育成事業(高知高専)もご参照ください.


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